ご飯の準備中に連絡してしまったのか。
 なんだか少し、申し訳ない。
 ・・・伯母さん、あきらかに面白がってたよね。
 男子と触れ合ういい機会だ、とかって。
 でも色々やってもらっている手前、これ以上しつこく文句を言うために連絡をするのもねぇ・・・。
 ベッドの上で一人うーん、うーんと唸る(うなる)
 ・・・色々考えてたらなんだかお腹が減ってきた。
 タイミングよく、ぐぅぅぅとお腹の音がなる。
 なんて単純な体なんだ。
 晶くんとか、黒江さんの前じゃなくて一人の時に鳴ったのはいいけど。
 2人の前で鳴らしてしまったら、恥ずかしくてきっと顔をあげられないよ・・・。
 キッチンで何か作ろうかな。
 というか、まずはスーパーに行って買い物をするところから始めないとダメだよね。
 勝手にキッチンにあるお二人の食材を拝借(はいしゃく)するわけにもいかないし。
 薄いカーディガンを羽織った。
 スマホと財布を小さなカバンに入れて部屋を出る。
 階段を降りたところで晶くんと遭遇した。
 「あれ?今からどこかに行くの?」
 「ちょっと晩御飯のためにスーパーに行こうかな、と思って」
 「へえ〜、何作るの?」
 「うーん、作り置きできるカレーとかハヤシライスとかかな」
 一度に大量に作って置けば、明日は作らないで温め直すだけで大丈夫だし。
 「そういえば、お鍋とかって・・・」
 「食器とか調理器具類はここにもともと置いてあって、自由に使っていいんだよ」
 「良かった・・・」
 お鍋とかフライパンも買わなきゃいけないなんてことになったら、初日から結構な出費になるからね。
 もともとここにあると聞いて一安心。
 「カレーかぁ、いいなあ」
 しみじみと晶くんがつぶやく。
 「晶くんは普段から自炊するの?」
 「実は僕も魁吏も料理が苦手でさ・・・。ここ最近はずっとカップラーメンだったんだよね・・・」
 「カップラーメン!?」
 思わず驚いてしまった。
 カップラーメンなんて体に悪いものをここ最近ずっと・・・?
 「そんなのいくらなんでも不健康的すぎるよ!」
 「でも、それくらいしか作れるものがなくて・・・。情けない話なんだけどね」
 「・・・わかった」
 「え?」
 「これから、私が全員分のご飯作る」
 さすがに不健康すぎて、ほうっておけない。
 そんな食生活を続けていたらいつか体が壊れてしまう。