「……あの後、警察が母さんを逮捕して…妹の美桜は手遅れになって……母方の祖父母に引き取られることになりました…」

3人の間で、沈黙の時間が続いた
最初に口を開いたのは、柏木だった

「でも、どうしてリオが部活に入らないことになるの…？」
「…多分、罪悪感を抱いてるんだと思います。母さんのことを、もっと早く気づいていればって…これ以上家族を失いたくないからって」
「…ありがとう、千里。悲しいことを思い出させちゃったね」

國谷は千里の頭を優しく撫でると、立ち上がった

「行こう、柏木さん」
「行こうって、どこに…？」
「北条さんの元ライバル、躑躅さんのところに」
「ま、まって！」

千里は2人を呼び止めた

「あ、あの、この事は誰にも言わないでください」
「…だいじょーぶ。俺たちだけの秘密だよ」