「いつもこの電車に乗ってるんですか?」

「いえ、今日は寝坊しちゃって」


敬語……

と、思いながら言葉を返す


「ふっ、寝癖…」

そう言って伸びてきた手が私の頭に触れた

何度か撫でるような仕草をしてから離れていく


「もっとして欲しかった…?」

「っ!そんなことないです!本当に!」

「ふ、必死ですね」


「ぅ……からかってますか…?」

「いえ、すみませんつい」

俯いた私の頭を再び撫でられた


ちら、と顔を上げるとその人の頬に傷がついているのに気がついた