「救急箱ってありますか?」

「はぃ?って尊、早く風呂は行ってこい」

「ちえっ…はぁい」

さっきの男の子退場


「何で部屋で待ってないんですか、先輩」

む、とした顔で怒られる


「ごめんなさい、棗くんの耳が心配で…」

「はぁ…そういうこと言われると何も言えなくなります、救急箱ですか?」

「はい、」

「部屋戻っててください、持っていくので」

片手で持っていたお盆を私に渡し、Uターンしてどこかに向かった棗くん


「なぁ」

「ひゃっ…!」

「………」

後ろから声がかかった

成長途中のような少し幼さの残る声


急なことで肩を揺らす