「棗くんっ」

失礼かな、と思いつつ、とてとてと棗くんが進んだ方へ小走りする


「ったぁ…!」

が、曲がり角で誰かとぶつかった


「うわ」

「いたた……うぇ?」

壁に手をつき、顔を上げる

棗くんそっくりの男の子が私より少ししたから睨んできた

すごく不機嫌そうに眉を寄せている


ふわふわの髪は真っ黒で綺麗で瞳は棗くんそっくりの色


「…………ほわ…」


「尊っ…実乃梨先輩?」

「あっ、棗くん」

見惚れること数秒間


棗くんがやってきてすぐ駆け寄る