「棗くんっ…!」

「何で、実乃梨先輩がここにいるんですか」

慌てて駆け寄り、膝をつく


「これ…どうしたんですか?」

触れようとして、やめる


棗くんのピアスがいつも光っている耳から血が流れていて、痛々しくて


「あ、拾ってくれたんですね、ありがとうございます。」

「っ……棗くん…」

暗い中、棗くんと目を合わせる


けど、感情が分からない


「ごめんなさい、今絆創膏持ってない…」

「何で実乃梨先輩があやま………」


「家まで送りますっ、立てますか?」

「一人で大丈夫です」

「ダメですっ、怒りますよ?」

今ばかりは負けないように目を力を込める