グラウンドで部活にいそしむ部員をよそにわたしは部室の片付けを行っていた


さすが、琴羽というような散らかり具合

当の琴羽は、保健室に貧血の部員を連れて行っている


「あ、柴先輩今日も来てるんですね」

「ごめんね、ちゃんとしたマネージャーじゃないのに…」

「いえ、最近やめちゃったんで助かってます」


優しく笑ったその後輩くんは足を引きずっていた


「えぇ!?大丈夫?」

「あ、すみません、琴羽先輩います?」

「琴羽?ぁっ、ごめん…今いないや…」

「そうですか、なら大丈夫です」


「ダメだよ、こっち来て」

痛々しい脚を引きずってグラウンドへ戻ろうとする後輩くんを引き留め、部室内のベンチへ座らせる


「もう、すぐ消毒しないと膿んじゃうかもなんだよ」

「ぁ、嫌ですね」

「でしょ?」


そのこと足下に救急箱を広げてしゃがむ