「ねぇ、先輩」

「………」

真っ赤な顔を見られたくなくて必死に俯く


「先輩」

「っ……はなしっ…」

顎を摑まれ、強引に上を向かされる


なぜか嬉しそうな“棗くん”と目が合って


「僕と付き合いません?」

「へ……」


想定外の言葉にしばし、時間がフリーズ


「先輩?柴先輩?………実乃梨、先輩?」

「っ!!」

「お、反応した」

唐突な名前呼びに時間が動き出した