「……ぃ……」

「この間、」

「っ!!」

「そんな身構えないでください、」

「………」

腕を放してもらおうと身じろぎするとぐい、と引き寄せられた


「っ!!」

「すみません、先輩が優しくて可愛いから、つい…」

耳元でそう囁かれ、ぶわっと顔に熱が集まる


「は、離して……ください…」

「………送っていっていいですか?」

「………い、いいですから…お願い…」

何度も首を縦に振ると、ふっ、と笑みを零して離してくれた


「先輩の真っ赤な顔が見れなくて残念です」

暗くてあまり表情が見えないことを残念がっているらしい


私としては、よかった…