「…………あ、こことかどうですか?
熱帯魚がいるみたいです」


“熱帯魚”


その魅惑的な言葉に目を輝かせる


「そうですね、行きましょう」

そんな私に見て目を細めた伊織くんが歩き出した

その背中を追いかけて横に並ぶ


「なんで私が来たいって分かったの?」

「勘です
実乃梨先輩好きかなーって」

「すごい
伊織くんエスパーだ」

「ふ、前もそんなこと言ってましたね」

「忘れてくれていいですっ…」


「無理ですね
それに、」


熱帯魚はこちら

という看板が目に入った