「実乃梨先輩、まだ時間じゃなかったですよね?」

伊織くんの部屋に通され、テーブルを挟んで向かい合う


怒ってる…?

「怒ってないです、
むしろ、嬉しいですけど…」

「?」

「僕に、早く会いたかったんですよね?」

確かめるように首を傾ける伊織くんに素直に頷く


「可愛すぎ…」

「あの、ね、伊織くん」

「待って、実乃梨先輩」

俯いたまま目線だけ上げるとその視界を奪われた


顔を覆う大きな手のひら


「伊織くん?」

「ダメです、
今変な顔してるので見ないでください」


変な顔…