「ってか、先輩から離れて」

ぐい、と手を引かれお母さんから離れる


「あら」

「なんで来たの、先輩」

不満げな声に目を伏せる


「……伊織くんを、驚かせたいな、って…」

「はぁ……ぃって!なに」

伊織くんの声に顔を上げるとお母さんが目を吊り上げて片手を振りかざしていた


「こら、伊織、女の子の気持ちを考えなさい」

「………」

どうやら伊織くんをはたいたみたいだ

そして、大きくため息をついた


「はぁ…父さんに似たのね…」

「先輩、とりあえず上がって」


「じゃあ私は行ってきまぁす」

「ぁっ、いってらっしゃいです!」