「ちょっ…」

「いちお、デートのお誘いなんですけど」

耳元でこそっと囁かれる


「っ……」

「あの、ですね…」

「はい」

「え、えいちゃんと、買い物に行こうかなぁっと考えていまして」

ちら、と伊織くんに目を向けると眉を寄せて複雑な顔をしていた


「それ、もう約束しちゃったんですか?」

「あ、ううん、これから誘おっ……」

ふっと口を大きな手のひらに塞がれた


「ダメ、僕の以外の男と出かけないで」

「……っ…いおっ…」


いつもより人が少ないとはいるにはいる