「うぅ、寒…ぅ…」

「冬ですもんね…」

体を縮こませると横から声が振ってくる


「マフラーかわないと…」

ほぅっ、と両手に息を吹きかける


あと手袋


「持ってないんですか?」

「あ、ううん、持ってたよ」

「?」

「今は持ってない、そうだよね、『うん』って答えるのが正解が」

「ふ…もうそれはいいですよ」

顎を手を当てる私に伊織くんが目を細めた


「あ、先輩」

「はい?」