「ちょっ……実乃梨先輩」

棗くんの声が聞こえたけど、無視なんてしちゃって小走りで教室まで向かった




「あー、もうすぐ試合だしね」

「ぅっ……」

「なに、どうしたどうした?」

琴羽が頭を撫でてくれる



「だから、髪染めちゃったのー?」

「え?そうでしょ、私が言ったし」

あっけらかんとした態度の琴羽


うぅ……琴羽め……


「似合いすぎてて皆に囲まれるに決まってるのに…」

唇をとがらせ、窓から下の様子を窺う