「私が予想するに、あの時の夜の人が声すっごくかっこよくて気になってて、電車でおんなじ声に声かけられて驚いた」


そこまであってる?

と、訊ねられ、少し顎を引く


「で、なんか微笑んだ顔もかっこよくてすこーーーーーーーし気になってる」


ど?

と、どや顔され思わず俯く


「完敗…」

「へへっ、」


してやったり、といった風な笑顔

そんな顔を見たら、すこーし感じていた悔しさも吹っ飛ぶ


「でも、フェチじゃないからね?」


「……じゃあなによ」

「ちょっと分かっちゃっただけ」


その人の声、かっこよかったから

とは、口に出さないでおいた