「翼羽、顔あげて」


「……やだ」


「あげてって」


「……嫌だよ」


「おい、あげろって」


からかうような口調が命令するような口調に変わり、声がワントーン低くなったのが分かった。


「……こっち向け」


言葉と共に顎に手が添えられ、クイッと引かれる。


「あ……」