けれど、待っていても唇に何の感触もなく。 ちらと目を開けると、口の横を指の腹で拭われた。 「チョコ、ついてた」 「……へ?チョコ?」 唯織が指についたチョコを側においてあったティッシュで拭いた。 な、なんだ。 勘違いして焦って、バカみたい。 急に恥ずかしさが込み上げてきて、顔を赤らめながらうつむいた。