ここで食べなかったら、照れて負けみたいじゃない!
む、と口を結んで決意を固めたあと、フォークに乗っているガトーショコラをパクリと食べた。
チョコの甘みが口いっぱいに広がった。
「おいしい」
そう言った私の頭を、唯織がガシガシと撫でた。
「ちょ、何すんの!?」
どうやら私が本当に食べると思っていなかったらしく、照れ隠しなんだと気付く。
挑発に乗ったつもりであーんをしてもらったのだが、照れられるとこっちまで照れてしまうじゃないか。
「そういえば、図書室でキスしてたよね」
何か話題がほしくておもむろに口にしてみたものの、唯織が目を見開いたのを見てやはりするべきでなかったなと後悔に襲われる。
「なんで知ってんの?」