唯織は、「おお、そうか」と言ってガトーショコラの一口をこちらに差し出してきた。


フォークにのせたまま、私の口の前に運んでくる。


「……え?」


……これっていわゆる、あーんの形なんですけど。


戸惑う私に、唯織が「ほら」と眉をあげた。


ちょ、ちょっと待ってよ。


急すぎるんですけど!!


「食べねぇの?」


唯織が意地悪くニヤリと笑った。


……は、腹立つ!!