そうか、もうとっくに……私が入れるはずなかったんだ。


二人は両想いで。


私の想いなんて、届くはずがない。


自惚れていた。


唯織はたとえ他の人と付き合うことになっても、それでも最後には私のもとへ戻ってきてくれるんだって。


そんな根拠も確証もないことを信じて。



視線を落とすと瞳に映ったガトーショコラ。


綺麗にラッピングされたガトーショコラは、皮肉にもとても美味しそうで。


ほろり、と涙が一粒こぼれ落ちた。