「ごちそうさまでした」

 お腹いっぱいになるまでビュッフェを食べた私。
 美味しいものやスイーツをたくさん食べられて良かった。本当に幸せだった。

「ローストビーフ、美味かったな」

「ね、ローストビーフ美味しかった。 後はスイーツも美味しかった」

「スイーツめっちゃ食ってたな、茉由」
  
 後半はほとんど、スイーツしか食べていなかった気がする。
 全部美味しかったから、食べすぎてしまったような気がするよ。

「スイーツ食べれて良かった」

「そっか。良かったな」

「うん、本当にありがとう」

 私は陸に笑顔を向けた。

「……陸?」

「茉由……」

「ーーーっ!」

 陸は突然、私を抱きしめてきた。

「……え、陸?」

 何何、突然どうしたの!?一体何があったの……!? え、えっ!?
 
 陸に抱きしめられているせいか、私には陸の表情は全く分からない。
 だけど分かるのは、私の胸の鼓動だけ。ドキドキして、どうしたらいいのか分からない。

「ウワサで聞いたんだけどさ……。茉由、好きな男がいるのか?」

「へっ……!?」

 陸からいきなりそんなことを聞かれて、私は困惑した。 

「どうなんだよ?……いるのか、好きな男?」

「え……っと」 

 いる、いるよ好きな男!……今私の目の前に、いるんだけど。

「茉由、教えてくれ。……いるのか?」

「……な、何でいきなりそんなこと聞くの」