私これ、褒めてもらえてるの?
 ……うーん、分からない。

「いただきます」

 陸は左手でお箸を持ち、サラダをパクリと口にする。
 
「うん、美味いな」

「ね、美味しいよね」

 そういえば陸は、左利きだった。お箸の持ち方もキレイだし、何かと器用なんだよね陸は。
 
「ねぇ陸、一つ聞いてもいい?」

「なんだ?」

「あのさ、どうして私を誘ってくれたの?」

 陸には他にも誘う人……いたかもしれないのに。他の女の子とか、さ。

「何でって……。別に誘う人がお前以外、いなかっただけだし」

「……え?」

 そ、そうなの?

「まあお前なら、絶対来ると思ったし」

「な、何それ……」

 喜んでいいのか、分からない。



「……なあ茉由」
   
 スイーツを食べていると、陸が私の名前を呼ぶ。

「ん?」

 その目はやたら真剣そうで、なんだか目を逸らせない。

「……陸?」

 え、陸どうしたの? なんかフリーズしちゃってる……。

「食べ終わったらさ、茉由に話があるんだ」

「……話?」

 え、なんだろう話って……?

「ああ、話」

「……う、うん。分かった」

 なんかさっきから、陸変じゃない……?
 なんて言えばいいのか、分からないけど……。なんだか変だ。