桜がもう満開で、暖かな日差しが頬を撫でる。俺が一年生になってもう一ヶ月を過ごした。
いつもはつまらない授業。勿論今日もつまらなかった。50過ぎであろう国語教師がぐだぐだ何か喋っている。だが、今日は短く感じた。
今日は俺がこの学校に態々入学したI番の目的、部活動の入部申し込み初日だ。この為に何時間勉強に時間を費やしたと思ってる。ここ、真紅谷高等学校は都内じゃ上から10番目くらいに入る、難関校だ。勉強なんかしてるより、バレーの練習をしたかった欲をグッと抑え、ここを目指した。ったく、勉強も出来てバレーも強豪って…最強じゃね?だからさっきから俺には意味不明な言葉を発しているのか。
_____キーンコーンカーンコーン
俺はチャイムがなったと同時に、廊下へ風のような速さで飛び出た。廊下を移動していた先生が驚いて腰を抜かしている。それを一瞬確認し終わった後には、俺はそのまま第二体育館を目指した。
一回まで階段を下って、その先を右に曲がる。そうするとあっという間に第二体育館へ着いた。
「失礼しまーす。」
初めて入る第二体育館。そこには既に一つの人影があった。
「あ、君!もしかして新入部?」
小柄な体格は、強豪バレー部員には見えなかったが、髪がココアのような色をした人がボールを転がしてこちらに駆け寄ってきた。
「はい。入部届を出しに…」
「よー。瑠璃…って、うぉ!早速きてるじゃんかー!」
俺が言い終わる前に会話に体育館のドアを勢いよく開け、割り込んできたのは、背が高く、体格にも
恵まれている、カフェオレ色の髪の…。
「東野先輩!!」
しまった。唐突に名前を叫んでしまった。何故なら、この人は去年のインターハイに出場していた、東野雄二先輩だからだ。彼は確か、このチーム一の高身長を持ち、それを生かしたキルブロックが得意だった。去年のインターハイの時のままの東野先輩で少し感動が蘇る。
「おー。お前、俺のこと知ってんだな。改めて。東野だ。よろしくな!」
「お願いします!…あ、入部届出しに来たんすけど…」
「あーそれは瑠璃に渡せ。俺の役目じゃねえ。」
琉璃…聞いたことがない名前だが、この人が主将なのか?心のどこかで少しがっかりしてしまった。
「先輩でしょ。アンタ。あ、もらうよ。」
…どうやらこの人は2年生らしい。
「改めまして、菅野瑠璃です。君は?」
ふんわりとした笑顔で菅野先輩は問いかけてきた。
「俺は天月悠磨です!小学校の頃からセッターやってました!お願いします!」
体育館に響く声で言ってやった。
すると、東野先輩が何やら難しそうな顔をした。常に明るそうな人がこのような顔をすると、頭の中が希望から不安に変わってしまう。
「セッターか…今年多いな。三人目か?」
三人目…と言うことは後二人いるのか。きっと廊下とかで他の先輩に会って渡したのであろう。
「んじゃ、お前がどんくらい強いかは知らねえけど、他の奴らに負けんなよ?」
「えっと…負けんなって言うのは、レギュラーのことですか?」
「おう。一年の中で一番出来のいい奴には、今のレギュラーセッターからレギュラーの座を奪えるってことだ!」
「うん。確か今月の終わりだから…後一週間とちょいあるね。キャプテンと主将が技能を見るらしいよ。明日は案内。練習は明後日からだから。練習頑張って!」
「分かりましたー!頑張ります!」
そう言ってから僕は体育館を後にした。
いつもはつまらない授業。勿論今日もつまらなかった。50過ぎであろう国語教師がぐだぐだ何か喋っている。だが、今日は短く感じた。
今日は俺がこの学校に態々入学したI番の目的、部活動の入部申し込み初日だ。この為に何時間勉強に時間を費やしたと思ってる。ここ、真紅谷高等学校は都内じゃ上から10番目くらいに入る、難関校だ。勉強なんかしてるより、バレーの練習をしたかった欲をグッと抑え、ここを目指した。ったく、勉強も出来てバレーも強豪って…最強じゃね?だからさっきから俺には意味不明な言葉を発しているのか。
_____キーンコーンカーンコーン
俺はチャイムがなったと同時に、廊下へ風のような速さで飛び出た。廊下を移動していた先生が驚いて腰を抜かしている。それを一瞬確認し終わった後には、俺はそのまま第二体育館を目指した。
一回まで階段を下って、その先を右に曲がる。そうするとあっという間に第二体育館へ着いた。
「失礼しまーす。」
初めて入る第二体育館。そこには既に一つの人影があった。
「あ、君!もしかして新入部?」
小柄な体格は、強豪バレー部員には見えなかったが、髪がココアのような色をした人がボールを転がしてこちらに駆け寄ってきた。
「はい。入部届を出しに…」
「よー。瑠璃…って、うぉ!早速きてるじゃんかー!」
俺が言い終わる前に会話に体育館のドアを勢いよく開け、割り込んできたのは、背が高く、体格にも
恵まれている、カフェオレ色の髪の…。
「東野先輩!!」
しまった。唐突に名前を叫んでしまった。何故なら、この人は去年のインターハイに出場していた、東野雄二先輩だからだ。彼は確か、このチーム一の高身長を持ち、それを生かしたキルブロックが得意だった。去年のインターハイの時のままの東野先輩で少し感動が蘇る。
「おー。お前、俺のこと知ってんだな。改めて。東野だ。よろしくな!」
「お願いします!…あ、入部届出しに来たんすけど…」
「あーそれは瑠璃に渡せ。俺の役目じゃねえ。」
琉璃…聞いたことがない名前だが、この人が主将なのか?心のどこかで少しがっかりしてしまった。
「先輩でしょ。アンタ。あ、もらうよ。」
…どうやらこの人は2年生らしい。
「改めまして、菅野瑠璃です。君は?」
ふんわりとした笑顔で菅野先輩は問いかけてきた。
「俺は天月悠磨です!小学校の頃からセッターやってました!お願いします!」
体育館に響く声で言ってやった。
すると、東野先輩が何やら難しそうな顔をした。常に明るそうな人がこのような顔をすると、頭の中が希望から不安に変わってしまう。
「セッターか…今年多いな。三人目か?」
三人目…と言うことは後二人いるのか。きっと廊下とかで他の先輩に会って渡したのであろう。
「んじゃ、お前がどんくらい強いかは知らねえけど、他の奴らに負けんなよ?」
「えっと…負けんなって言うのは、レギュラーのことですか?」
「おう。一年の中で一番出来のいい奴には、今のレギュラーセッターからレギュラーの座を奪えるってことだ!」
「うん。確か今月の終わりだから…後一週間とちょいあるね。キャプテンと主将が技能を見るらしいよ。明日は案内。練習は明後日からだから。練習頑張って!」
「分かりましたー!頑張ります!」
そう言ってから僕は体育館を後にした。