「ケレトに行き、共に戦ってくれるか?」

答えは一つしかない。イヅナたちは大きく頷き、ベラが「ならケレトに行く準備のお手伝いをします!」と手を挙げる。

「ありがとう。四人の休暇はこの任務が終わったらしっかり確保するよ」

ギルベルトの言葉に、「頼みます」とレオナードが言う。そんなレオナードをヴィンセントが「早く行くよ」と言い、引っ張っていった。

休暇が始まってすぐ、イヅナたちは遠い国へ行くことになった。しかし、イヅナの中には不思議と嫌な気持ちはなかったのだ。

それはきっと、大切な家族の故郷だからだろうか。



あれからベラに手伝ってもらいながら大急ぎで支度をし、ギルベルトが手配した車で港へと向かい、イヅナたちはケレト行きの船に出港時間ギリギリで乗ることができた。

「……ハアッ……ハアッ……すでに戦い終わった後みたいに疲れてるぜ……」

レオナードが大きく肩を上下にし、荒い呼吸を整えている隣で、イヅナとヴィンセントも同じようにしている。何事もないようにしているのは、ツヤだけだ。