「そうですよね!アレス騎士団のみんなで探してもらったら、もうすぐに見つかっちゃいますね!」

イヅナはレオナードたちのことを想像し、微笑む。体力のある彼らなら森の中を何時間でも歩くことができ、優秀な式神もいる。こんな広い森の中でもきっと誰かが見つめてくれる、そうイヅナは思った。

「……そういうつもりで言ったんじゃないけどな」

ボソリと呟いたギルベルトの声は、イヅナのリスを見つけてはしゃぐ声によってかき消された。

数十分ほど歩くと、森の木々がぽっかりとなくなっている場所にたどり着く。そこにあった景色に、イヅナは「わあ!」と声を出した。

目の前には、色とりどりの花がたくさん咲いている。突然現れた花畑に、イヅナは「綺麗……」と呟き、美しい花たちをジッと見つめた。

「綺麗でしょ?たまたま見つけたんだ。イヅナ、こういうところが好きそうだなって思って、どうしても見せたかったんだよね」

ギルベルトが微笑み、イヅナの髪に摘んだ花を飾る。そして愛おしげにイヅナの頬を優しく撫で、「イヅナは花が似合うね」と言った。