フジは買い物を済ませた後、早く家に帰らなければと山道を走っていた。だが、足を滑らせて山道を滑り落ちてしまう。

だが、フジの体を何者かが支えてくれた。その者の腕は岩のような見た目をしており、人のものではない。フジが顔を上げればそこには、恐ろしい巨人がいた。

だが、不思議とフジは巨人を恐ろしいとは思わなかった。巨人が恐ろしい見た目をしながらも、優しい目をしていたからかもしれない。

「あなた、名前は？」

フジが訊ねると、巨人は「ダイダラボッチ」と返す。フジはまたダイダラボッチに会いたいという気持ちがあり、数日後に来る約束をして別れた。

その日から、フジはダイダラボッチに時々会いに行くようになった。ダイダラボッチはフジに優しく接し、人からこき使われているフジは、その優しさに泣いて喜んでいた。

「こぉぉぉおぉぉぉおれ、あぁぁぁげる」

ある日、フジはダイダラボッチにあるものを渡される。それはダイヤモンドの入った美しいネックレスだった。突然高価なものを渡され、フジは戸惑う。だが、その贈り物が嬉しかった。