「人から鬼にツヤさんはされたんです。俺、頭良くないんで難しいことはわかんないけど、突然の変化って人の心や体に強い影響を与えるんじゃないですか?だから、理性を失った妖と同じ状態になっても仕方なかったと思います。お姉さんは、多分それを知ってたんじゃないですか?根拠とかはないけど」

「……少し外の風に当たってくる」

レオナードの熱意の入った言葉を聞いた後、ツヤは俯きがちに立ち上がり、外へと出て行く。その後ろ姿を見送ってから、レオナードは「俺、変なこと言った?」と心配そうにイヅナとヴィンセントに訊ねた。

「レオナードにしては、いいことを言ったね」

「根拠って言葉、レオナードが知っていたなんて知らなかったわ」

驚きながらヴィンセントとイヅナは言う。もちろん、この言葉に悪意は一ミリも込められていない。

「酷くね!?」

悪意があるとレオナードは思ってしまい、二人は慌てて謝ってジュースとお菓子を奢ったのだった。