「俺には、美琴だけだよ……」



切なそうな表情でそう呟いたかと思ったら、私から離れてしまった匠。



ホッとして、ベッドから起き上がる。



「美琴」

「は、はい」

「後は、自分でするから今日は出て行って」

「でも……」

「じゃないと、美琴の事をめちゃくちゃにしてしまいそうだから……」




そう言われ、慌てて匠の部屋を後にした。



次は安息の地で有る、玲の部屋に向かい扉をノックする。