言った⋯!


ちゃんと千鶴さんの目を見て言えた⋯。




緊張したけど、心臓バクバクだったけど、余裕なんてなかったけど、上手い言葉なんて見つからなかったけど、一番伝えたい「好き」を伝えられた。




でもまだ安心なんてしている暇はなくて、未だにドキドキしている心臓の辺りの服を無意識に掴んだ。




「千鶴さんからしたら迷惑かもしれないですけど、今日はそれだけを伝えたくて来ました」

「⋯⋯」

「色々と、ごめんなさい⋯。それと、ありがとうございました」





苦しい思いも辛い思いもしたけど、千鶴さんに出会えてよかった。
恋してよかった。



“いつか好きな人と幸せになってください”



とはまだ言えないけど、いつの日か心からそう思えたらいいな。



他の人と⋯⋯、


千鶴さんが好きになった人と─────、






いつかそう、思えたら──────⋯⋯