「いくら千鶴さんが男の人でも、強くても、気をつけて下さい」

「⋯」

「SP映画見たから余計に心配になっちゃうんです」





本当はあたしが後をつけられたからだけど、そんなことは言えないから。


今日は不審な出来事もなかったし、あたしと一緒じゃなければ巻き込まれるとかの心配もないから大丈夫だろうけどもしもの事があるから⋯。






「本当に、気をつけて下さい」




千鶴さんの瞳をジッと見つめながら言った。

普段見つめるなんて照れてしまって出来ないのに、すぐにドキドキさてしまうのに、こういう時はそうならないのだから不思議なものだ。