後をつけられている可能性があるので。



なんて言えるはずがない!





「いや、あの、えっと⋯」

「⋯⋯」

「え、SP!SPごっこです⋯!」

「SP?⋯は?」



千鶴さんの冷たい瞳が突き刺さってくる。

さすがに怪しすぎる誤魔化し方だよね、うん。わかってる。馬鹿すぎるってことくらい。

けど他にいい誤魔化し方なんてある?

ない。この怪しすぎる行動を真っ当な理由で誤魔化せるはずがない。




「最近、SPが主人公の映画を見まして、それで⋯あの、⋯ははは」

「⋯大丈夫か?」

「大丈夫です⋯」

「⋯⋯」



気まずい空気が二人の間に流れる。

千鶴さん絶対あたしのこと頭のおかしい人だと思ってるよね⋯⋯⋯悲しい。



でもこれも千鶴さんを守るため!




「あたしが守りますからね!」

「⋯ああ」



千鶴さんに変な目で見られること承知でマンションまでの道のりを、千鶴さんを守るようにして歩いた。