一瞬でも見逃してたまるものかと、私はレイヤくんをひたすら見つめた。


 どうしたら私の想いは届くのだろうか……。

 レイヤくんの瞳に私が映っているというだけでもキセキみたいなのだから、この機会を逃したくない。



「えーっと、ありがとう?」


「はぁー……やばい。大好きすぎる……」



 気がついたらそう声に出して言っていた。今の私には、もうレイヤくんのことしか考えられない。



「レイヤくん、大好きです。存在してくれてありがとうございます」


「こちらこそ? それよりもお姉さん怪我してない?」



 心配そうに見つめてくるのは、心からそう思っているからだろう。

 もちろん私は怪我など一ミリもしていない。レイヤくんが庇ってくれたおかげで無傷なのだ。



「……っ!!」



 覗き込んでくるレイヤくんが可愛すぎて、私は声にならない悲鳴を上げながら、コクコクと頷いた。



「そう、なら良かった……そういえば、お姉さん俺のファンなんだよね?」


「はいぃぃ!」