それから数日。
私は、純太とふたりきりになったとき、彼に告白しようと何度か試みたが。
「ねぇ、純太……すっ、す、水曜日ヒマ!?」
「水曜? ヒマだけど……どうした? 突然。どこか行きたいのか?」
「えっ!? あっ、えぇっと、その……」
「……ん?」
言え! 言うんだ、わたし!!
「あのね……すっ、す……」
「す……?」
「すっ、水族館……久しぶりに行きたいなぁって思って」
「ああ、水族館ね。別に良いけど。あそこ、何時までやってんのかな。電車で行くなら……」
純太が、スマホで調べ始める。
さっそく調べてくれるなんて、純太ってば優しい……って、ちがーーう!
ああ……どうしてこうなんだろう私は。
結局違うことを言ってしまい、己の不甲斐なさがぐさりと胸に刺さる
『好き』なんて、たったの2文字なのに。
そのたったの2文字が、純太の前だとどうしてこんなにも言えないのだろう。