唇を歪めて軽くうずくまると、わたしに視線を向けた由利くんが「だいじょーぶ?」と全く感情のこもっていない声で訊ねてくる。
「うん、ちょっと。お腹痛くて」
症状を訴えれば気遣ってベッドを移動してくれるかなと期待したけど。
「便秘?」
「……」
「あ、生理痛のほう?」
由利くんは首を傾げながら、綺麗な顔で真面目にそんなことを訊いてきた。
ほとんど初めて会話する女子に、平然とそんなこと訊くなんて。この人にはデリカシーというものがないのか……!
「うちの姉ちゃんもよく寝込んでた」
「……」
ふーん。由利くんにはお姉さんがいるのか。そして、生理痛が重いんだね。
でも、そんな情報全くいらない。
余計にお腹が痛くなりそうだ。