海斗くんは直接は何も言ってこなかったけれど、携帯にはいくつかメッセージが寄せられた。

もう一度会ってちゃんと話をしてみたいとか、そんな感じのやつ。

これはよくない兆候。

まだわたしへの未練が残っている。

早めに断ち切っておかないとバッドエンドを迎えるかもしれない。

わたしにはひとつの作戦があった。

これをやればきっと海斗くんを思い通りに動かすことができる。

でも、ある程度待たないといけない。

すぐに行動を起こしてしまっては、失敗してしまう可能性があるから。

わたしは夏休みの初日である土曜日に来栖先輩とデートに行くことになっている。

その前日がちょうどいいかも。

リスクのある行為だから、すっきりと終わらせてからデートに臨むべき。

そういうわけでわたしはこの日、夜中に家を出た。