今日は生徒会の仕事もないので、わたしたちはそのまま帰宅することにした。

来栖先輩は電車通学で、わたしとは帰る方向が違うようだけれど、途中まで送っていってくれるらしい。

校舎を出たとき、わたしの目は自然とグラウンドの方に行った。

そこではすでにサッカー部の活動が始まっている。

サッカー部のマネージャーはすでにやめている。

お昼休みに顧問の先生のところに行って退部を伝えた。

二年生で突然やめるケースは滅多にないから驚かれはしたけれど、最終的には受け入れてくれた。

「ちょっとグラウンドの方に寄ってもいいですか?」

「挨拶でもするの?」

「いえ、最後にみんなのことを目に焼き付けておきたくて」

グラウンドに近づくと、何人かがわたしたちに気がついた。

それに遅れる形で、海斗くんもこちらを見た。