「優秀なのはべつに悪くないんじゃ」

「来栖先輩って滅茶苦茶勉強ができるから、超一流大学を目指してるんだよ。合格する可能性もかなり高いって聞いてる。だからもしそうなったら、かなりの遠距離になっちゃうけど、大丈夫?」

そんなのどうでもいいこと。

来年なんて考える必要はない。

わたしにとって重要なのは、あくまでもこれからの数日間。

「別にいいよ。遠距離とか気にしないタイプだから」

「ふーん、まあ、軽い気持ちで付き合ってみるのもありかもね」

「いつ会えるかな?」

「今日でも全然平気だよ。生徒会の活動とかもないし、三年はそもそも受験勉強が始まってるから、活動に参加する義務もないんだけどね」