「え、どうして?」

翌日の休み時間、わたしはさっそく若葉に生徒会の人を紹介してほしいとお願いした。

海斗くんと別れるためには仕方がない。

相手のことを何も知らない状態ではあるけれど、いまはそんなことをこだわっている余裕なんてない。

「実は、海斗くんとはずっと険悪というか、もう別れようかって話になっていて」

「本当?なんだか急すぎない?」

「若葉だっていってたじゃない。好き好きっていうオーラが感じられない、とか」

「そうだけど、だからといって名前も知らない人に会いたがるなんて、なんかおかしいじゃない」

「紹介してくれないの?もしかしてそういう人、存在しないとか」

だとしたら、かなり困ることになる。

海斗くんに会わせる人がいなくなれば、計画自体が破綻してましうかも。

「実際にいるよ。紹介するのもべつに構わないんだけど、その前に彼とダメになったきっかけとか教えてよ」

「それはまあ、いろいろあって」

「彼の悪い噂、全然聞かないけど」

「性格がいい悪いじゃなくて、二人での関係のことだから。細かいことの積み重ねっていうか、ちょっと距離を置きたいなって、いつしか思うようになっていったの」

「でも、登下校は一緒で、サッカー部のマネージャーだって続けてるじゃない」

もう矛盾を追究されるのは覚悟のうち。

勢いでどうにか突破しないと。