「本当かどうか確かめたいだけなんだ」

「女々しいよ、海斗くん。そういう人がストーカーとかになっちゃうんだよ」

海斗くんは真っ直ぐなところがあるから、このまま引き下がらないかもしれない。

きっと相手が本当にいるということが確認できたら、それで納得するんだろうけど。

となると、わたしはその生徒会の人と付き合わないといけなくなる。

海斗くんと別れるために協力して、なんて言えないから。

「そんな人、いないんじゃないのか」

どうせ数日の関係でしかない。

ここは割り切ったほうがいいのかもしれない。

「わかった。今度紹介するから」

「本当にいるのか?」

「わたしのこと疑ってるの?海斗くんと別れるために恋人をでっち上げるなんて、普通はできないよ」

「……そうか」

どこか腑に落ちない感じを残しつつ、海斗くんはその場を立ち去った。