海斗くんを救う手段をあれこれ検討していると、どうしても眉にしわがよってしまう。

「ご飯は食べられているようだし、気持ちの問題なの?」

「まあ、そんな感じ」

食欲はそこまではなかった。

本当は食事なんかしなくてもよかったけど、周りに変に思われるのが嫌だったから流し込むようにして食べていた。

「なんなの?悩みがあるなら、相談に乗ってあげるよ」

「別に気にしなくてもいいよ、そんなたいしたことじゃないから」

「人には言えないこと?性の悩みとか」

「そういうわけじゃないけど」

若葉はパン、と机を軽く叩くようにした。

「わかった。サッカー部の幼馴染みが浮気してたんでしょ」

「まさか」