「莉子、あんたずいぶん、険しい顔してるよね」

お昼休み、わたしにそう指摘したのは同じクラスの女子、黒木若葉。

前の席の椅子を逆側に股がるように座って、コンビニで買ってきた菓子パンを食べている。

「そう?」

わたしは平然とした表情を意識しながら、お母さんの作ってくれたお弁当を食べている。

お昼休み、教室はガラガラだった。

今日はそこまで暑くないからか、みんな学食か外で食べている。

わたしの席は窓側にあって、そこからはグラウンドが見下ろせるのだけれど、すでにサッカーなんかで遊んでいる生徒もいた。

「実は朝から気づいてたんだけどさ、そっちからなんか言ってくるかなと思って待ってたんだよね」

やっぱりばれていた。

これからのことを考えると、どうしても落ち着いてなんかはいられない。