「違うよ、そういうのじゃないから。もしかしたら、まだ眠いだけなのかもしれない」

「あら、そういえばなんだか顔色が悪いわよね。風邪でもひいたんじゃない?」

お母さんが心配そうな顔で、わたしのを覗き込むようにする。

「平気。熱とかもなさそうだし」

体調の問題じゃない、それはよくわかる。

食欲はあるし、二階の自分の部屋から階段を降りてくるときも、ふらつくようなことだってなかった。

顔色だって実際には悪くない。

お母さんは心配性だから、そう思い込んでいるだけ。