「ああいう教師になりたい、とかたまに考えるんだよ。学校の先生なら部活の顧問にもなれるし、学生にサッカーを教えるのも悪くはないかなって」

「海斗くんなら、いい先生になれると思うよ」

隕石によって一度は滅んでしまうだろう日本だけれど、海斗くんはそんなこの国の希望の光になれるのかもしれない。

能力者じゃなくても、人を引き付けることはできる。

荒廃した国で、海斗くんが先頭に立ってみんなを指導する姿が、わたしの脳裏に浮かんだ。

「莉子はどうなんだ?なにか夢とかあるのか?」

「ないよ、そんなもの」

子供のときは漫画化になりたいとか、アイドルになりたいとか、そんな夢を抱いたこともあった。