わたしは単純に街を見下ろしたかったのだということを。

わたしは何度も隕石によって命を落とした。

そのとき、わたしは当然空を見上げてばかりいた。

目に焼き付いているのは太陽にも似た炎をまとった隕石。

だから次に最後を迎えるときは、逆に街を見下ろせるような場所が良かった。

あの恐怖を打ち消した状態で死にたかったのだろうと思う。

何かに見下ろされるのではなく、自分のほうが見下ろしたかった。

そうすることで次のステップに向かえるような気がした。

それに、もし自殺が必要な場合、こういうところなら確実に死ぬことができる。

これだけ高いところから落ちれば、確実に心臓は止まる。