地元の遊園地とはいっても、それなりの規模はある。

夏限定のウォータスライダーや、高低差のあるジェットコースターは全国的にも有名なアトラクションで、他県からの観光客も多い。

夏休みとあって、園内には子供連れの大人や、学生の恋人の姿がたくさん見られた。

アトラクションの待ち時間も必然的に長くなったけれど、全然嫌な感じはしなかった。

真夏の日差しはむしろ、いまのわたしにとってはありがたかった。

眩しすぎるくらいの太陽は、わたしに前向きな力を与えくれるような気がした。

海斗くんが一番楽しみにしていたアトラクションは観覧車らしい。

午前中に一度乗り、園内でお昼ご飯を食べたあと、海斗くんはもう一度観覧車に乗りたいと言った。

「なにかを思い出せるような気がするんだ」

「懐かしく感じる理由?」