「うん、山に登るのは日曜日でいいよね」

海斗くんは顔をしかめた。

「そんなぎゅうぎゅうにスケジュールを詰める必要があるか?一日くらい休んだっていいだろ。夏休みなんていくらでも余裕があるんだから」

それじゃだめなんだよ。

月曜日には隕石が落ちてくる。

その前に終わらせないと。

「同じ年の子達は、みんな毎日のように遊んでるよ。どうせ近場なんだから、全然問題ないよ」

「まあ、別にいいけど。莉子がそんな積極的なのも珍しいよな。なんかあったのか?」

「え、別になにもないよ。ただ、来年はもう受験でしょ。高校生活の本格的な夏休みなんて、これが最後かもしれないじゃない。だから思う存分、楽しみたいなって思っただけ」