デートに行くことで、最後の針を進ませてしまう、そんな恐怖なのかもしれない。

「やっぱり海斗くんは能力者なんじゃない? この前も官僚の人が来てたんでしょ」

「じゃあ、遊園地で事故でも起こるかもしれないってことか。なら、念のため、避けたほうがいいのかもしれないよな。最近は物騒な事件も起こっているしさ」

まずい方向に話が進んでしまった。

これではわたしの願いとは真逆になってしまう。

「冗談だよ、冗談。そんなに気になるなら行ったほうがいいと思う。うん、行こう」

「大丈夫かな」

「平気だって。危険な乗り物には乗らなければいいし、もしものときは海斗くんが守ってくれるんでしょ。じゃあ、さっそく明日の土曜日に行こうよ」

「夏休みの初日からか?」