世界的なテーマパークじゃなくて、わたしたちの地元にある、コマーシャルなんかでもなじみ深い遊園地のことらしい。

「遊園地?それも意外な感じがするけど」

これまでわたしたちのデートといったら、街をぶらぶらしたり、海斗くんがお気に入りのプロのサッカーチームを応援するくらい。

遊園地で遊んだことは一度もないし、そう誘われた記憶もない。

「昔さ、よくお前の両親と一緒に遊園地に行っただろ。なんかさ、その当時のことが最近、よく頭に思い浮かぶんだよな」

言われてみると、確かにその頃の記憶はわたしにもある。

具体的にどんな乗り物に乗ったかは覚えていないくらいの昔ではあるけど。

海斗くんは小学校の高学年くらいからサッカーのクラブチームに入って、休みの日は練習や試合で埋まってしまい、それからは家族同士で遠出をすることもなくなってしまったから。