そこまでの余裕が、わたしにはない。
いつ死んでもおかしくないという危機感があるから、日常を楽しむことなんてできそうにない。
「二人が付き合いはじめてから、わたしはずっと思っていた。なんか窮屈だなって。きっとそれって莉子が罪悪感を引きずってるからだよね。橘くんの事故を自分のせいにして、本当の恋人にはなりきれていない。たぶんそのこと、橘くんもわかってると思うんだよね」
「……」
「過去の失敗を取り戻すというだけで橘くんを救おうとするのは、間違ってるよ。莉子、もし橘くんを助けたいなら、あなたが本当に彼を愛するべきだと思う。そうしてはじめて、その行為にも意味が生まれるような気がするんだよね」
マコの言いたいことはよくわかった。
わたしは海斗くんのためじゃなく、自分のなかにあるモヤモヤを解消したいだけで動いている。
それがすべてはないにしても、かなりの部分を占めていることはたしか。
いつ死んでもおかしくないという危機感があるから、日常を楽しむことなんてできそうにない。
「二人が付き合いはじめてから、わたしはずっと思っていた。なんか窮屈だなって。きっとそれって莉子が罪悪感を引きずってるからだよね。橘くんの事故を自分のせいにして、本当の恋人にはなりきれていない。たぶんそのこと、橘くんもわかってると思うんだよね」
「……」
「過去の失敗を取り戻すというだけで橘くんを救おうとするのは、間違ってるよ。莉子、もし橘くんを助けたいなら、あなたが本当に彼を愛するべきだと思う。そうしてはじめて、その行為にも意味が生まれるような気がするんだよね」
マコの言いたいことはよくわかった。
わたしは海斗くんのためじゃなく、自分のなかにあるモヤモヤを解消したいだけで動いている。
それがすべてはないにしても、かなりの部分を占めていることはたしか。